屋根の老朽化が気になってきたとき、葺き替え工事を検討される方も多いのではないでしょうか。ただ実際に調べてみると、費用が思ったより高額だったり、工事期間が長かったりと、ためらう理由が出てくることもあります。そんな中で注目されているのが「カバー工法」です。
既存の屋根を撤去せずに新しい屋根材を重ねるこの方法は、工事の負担を抑えやすく、費用面でも比較的取り入れやすい選択肢として知られています。一方で、「本当にカバー工法で大丈夫なのか」「どれくらいの費用がかかるのか」など、不安や疑問を持たれることも少なくありません。
この記事では、屋根のカバー工法について、費用の目安や工事期間、葺き替えとの違いなどを具体的に解説していきます。検討の参考になるよう、実際に選ぶ際に知っておきたいポイントも詳しくご紹介します。
目次
カバー工法とはどんな工事?
屋根のカバー工法は、既存の屋根の上から新しい屋根材を重ねて施工する工事方法です。大がかりな解体作業が不要なため、コストや工期を抑えやすいという特徴があります。ただし、すべての屋根に施工できるわけではないため、基本的な仕組みや注意点を知っておくことが大切です。
既存屋根を残したまま重ねる仕組み
カバー工法では、現在の屋根を撤去せずに、その上から防水シートと新しい屋根材(主に軽量金属製)を取り付けます。これにより、屋根材の撤去費や廃材処分費が不要になり、葺き替え工事に比べて費用を抑えやすくなります。
また、既存の屋根材が防音・断熱の層として残るため、遮音性や断熱性の面で有利に働くケースもあります。ただし、下地の劣化が激しい場合や雨漏りの原因が特定できない場合は、施工が難しいこともあります。
葺き替え工事との基本的な違い
葺き替え工事は、既存の屋根材をすべて取り除いてから新しい屋根を施工する方法です。下地の状態を直接確認できるため、劣化の激しい屋根には適していますが、解体や廃材処分にかかるコストが高くなりがちです。
一方、カバー工法は既存の屋根の上から施工するため、費用や工期を抑えられる一方で、施工前に下地の状態を完全に確認できないというデメリットがあります。このように、両者は施工方法だけでなく、コストや適応条件も異なります。
カバー工法の費用相場を詳しく解説
屋根の工事を検討するとき、やはり気になるのは費用の目安です。カバー工法は、既存の屋根を撤去せずに施工できるため、比較的コストを抑えやすいといわれていますが、それでも条件によって金額には差が出ます。ここでは、費用の内訳や注意点を見ていきましょう。
屋根の面積と使用素材で決まる
カバー工法の費用は、主に屋根の広さと使用する屋根材によって変わります。一般的な戸建て住宅(約30坪程度)で使用される軽量金属屋根材を用いた場合、1平方メートルあたりおよそ7,000円〜12,000円程度が相場です。つまり、全体では70万〜100万円前後を目安とするケースが多く見られます。
使用する屋根材によっても費用は変動します。たとえば、ガルバリウム鋼板は軽量で耐久性も高いため、カバー工法によく選ばれる素材ですが、その分やや高価になる傾向があります。一方で、アスファルトシングルなど比較的安価な素材もあります。
足場代や付帯工事の有無にも注意
屋根の工事には、材料費や施工費以外にも、足場の設置費用が必要です。これは安全に工事を行うために欠かせないもので、20万〜30万円ほどかかることが一般的です。また、屋根の形状や勾配によって足場の費用も上下する可能性があります。
さらに、屋根だけでなく、雨どいや板金部分の補修・交換などが必要になる場合、別途費用が加算されることもあります。これらの付帯工事は建物の状態によって異なるため、事前の現地調査でしっかり確認してもらうことが重要です。
カバー工法の工事期間はどれくらい?
屋根のリフォームを検討する際には、工事にかかる期間も気になるポイントのひとつです。特に、在宅で工事を行う場合は、生活への影響を最小限に抑えたいという方も多いでしょう。ここでは、カバー工法にかかる一般的な工期の目安や、スケジュールに影響を与える要因について解説します。
一般的な戸建てなら5〜7日が目安
カバー工法は、既存の屋根材を撤去せずに施工できるため、葺き替え工事に比べて工期が短いのが特徴です。通常の住宅であれば、足場の組み立てから屋根材の設置、片付けまでを含めて、おおよそ5〜7日程度が目安となります。
また、既存の屋根に直接重ねて施工するため、騒音や粉じんの発生も少なく、近隣への影響も抑えやすい点が利点です。工事中も在宅可能なケースが多く、日常生活への支障も少なく済むでしょう。
天候や屋根の状態で伸びるケースも
ただし、天候や屋根の状態によっては予定よりも工期が延びることがあります。特に屋外作業のため、雨や強風の日には施工ができず、工程が後ろ倒しになる場合があります。また、現地調査時には見えなかった下地の劣化や腐食が見つかった場合には、補修作業が加わることで数日延びることもあります。
こうした要素は事前に完全に予測するのが難しいため、見積もり時には「予備日」を含めてスケジュールを組んでおくと安心です。信頼できる施工会社であれば、こうしたリスクも踏まえて説明してくれることが多いため、事前の打ち合わせを丁寧に行うことが大切です。
カバー工法のメリットとは
屋根のカバー工法は、費用面だけでなく、施工方法や生活への影響といった点でも多くの利点があります。ここでは、カバー工法を選ぶことで得られる具体的なメリットを2つの視点からご紹介します。
解体が不要なため工事費を抑えやすい
カバー工法最大のメリットは、既存の屋根を撤去せずに新しい屋根材を重ねるため、解体費や廃材処分費がかからないことです。これにより、葺き替えに比べて全体の工事費用を抑えやすくなります。
また、廃材を出さないことは、環境への負荷軽減にもつながります。リフォームにあまり予算をかけられないときや、築年数が比較的新しい住宅では、効率的に屋根の機能を回復させる選択肢として取り入れられることが増えています。
騒音やホコリの発生が少ない
解体作業を伴わないため、工事中の騒音や粉じんが少なく、近隣への影響を抑えやすいのもカバー工法の利点です。特に住宅密集地や、隣接する家との距離が近い場合には、こうした配慮が大きな意味を持ちます。
工事中も在宅での生活がしやすく、日常生活への影響も最小限に抑えることができます。また、施工期間が短く済むため、天候の影響による延長リスクも比較的少ない点も魅力です。
カバー工法のデメリットと注意点
コスト面や施工のしやすさなど多くの利点があるカバー工法ですが、すべての屋根に適しているわけではありません。施工の前には、デメリットや施工条件についてもしっかり確認しておくことが大切です。ここでは、注意しておきたい点を2つの視点から解説します。
施工できない屋根もある
カバー工法は、すべての住宅に適用できる工法ではありません。たとえば、瓦屋根のように重く凹凸が大きい屋根には施工できないケースが一般的です。また、既存の屋根材がすでに二重になっている場合や、雨漏りが深刻で下地まで劣化している場合には、カバー工法では対応できず、葺き替えが必要になることもあります。
そのため、工事前には必ず現地調査を行い、下地の状態や屋根の構造をしっかり確認してもらうことが重要です。見た目には問題がなくても、内部に腐食が進んでいる場合もあるため、専門業者による点検は欠かせません。
屋根が重くなることで起こる影響
既存の屋根に新しい屋根材を重ねることで、建物全体としての重量は増加します。カバー工法でよく使用される金属屋根は軽量とはいえ、積み重ねることで耐震性への影響が出る可能性があります。
特に、築年数が経過している建物や、耐震補強が行われていない住宅では、構造にかかる負担が増えることでリスクが高まることもあります。事前に建物の耐震性や構造の状態を確認し、必要に応じて補強工事を検討することも視野に入れておくと安心です。
葺き替え工事との費用・工期の違い
屋根のリフォームには大きく分けて「カバー工法」と「葺き替え工事」の2種類があります。どちらを選ぶか迷ったときには、費用や工期の違いをしっかり把握することが大切です。ここでは、それぞれの工法を比較しながら、選び方のポイントを整理します。
費用の比較:カバー工法が安く済む理由
カバー工法は既存の屋根を撤去せずに施工するため、解体費や廃材処理費が不要です。この分がコスト削減につながり、全体の費用も抑えられます。屋根材の種類や面積にもよりますが、一般的な戸建てで比べると、葺き替え工事に比べて20万〜50万円ほど安くなるケースもあります。
一方、葺き替え工事は既存の屋根材をすべて撤去してから新しい屋根を施工するため、工事内容が大がかりになります。撤去・処分・下地補修の工程が必要になり、その分費用がかさむ傾向があります。ただし、劣化が進んでいる場合や長期的な耐久性を重視するなら、葺き替えが適している場合もあります。
耐久性やメンテナンス性もチェック
工期の面でも、カバー工法は5〜7日程度で済むことが多く、葺き替え工事よりも短期間で完了します。葺き替えは10日以上かかることもあり、工事中の生活への影響も比較的大きくなります。
ただし、耐久性の面では、葺き替え工事の方が長持ちする傾向があります。カバー工法は下地の状態に左右されるため、基礎が傷んでいると期待するほどの耐用年数が得られない場合もあります。そのため、築年数や下地の劣化具合、今後の住まい方を踏まえて、適した工法を選ぶことが大切です。
グッドハウスによるカバー工法の強み
屋根の工事は、費用や工期だけでなく、施工会社の技術や対応力によっても仕上がりに差が出るものです。ここでは、福島県いわき市を拠点とするグッドハウスが手がけるカバー工法の特徴と、選ばれる理由についてご紹介します。
自社施工で中間コストを削減
グッドハウスでは、屋根工事をはじめとした外装リフォームをすべて自社施工で行っています。電気や水道、瓦工事なども自社内で対応できるため、外部業者への依頼にかかる中間マージンが不要です。結果として、お客様にとってわかりやすく、納得しやすい費用でのご提案が可能となっています。
また、現場の状況に応じた柔軟な対応や、細かな相談への即時対応も自社施工ならではの強みです。屋根材の選定から工事後の確認まで一貫して管理できる体制が、信頼感と安心につながっています。
地域密着型で工事後の対応も安心
グッドハウスは、福島県いわき市を中心に地域密着でリフォーム事業を展開しています。代表自らが現場に立つスタイルを貫いており、お客様とのやり取りにも責任を持って対応しています。
工事が終わったあとも、雨漏りやメンテナンスのご相談などにスムーズに対応できるのは、地元で長年続く会社ならでは。屋根工事のように住まいの安全性に関わる部分だからこそ、身近で頼れる存在があることは大きな安心につながります。
まとめ
屋根のリフォームにはさまざまな選択肢がありますが、カバー工法は費用や工期の面で比較的取り入れやすい方法といえます。既存の屋根を撤去せずに新しい屋根材を重ねるため、廃材処分費がかからず、騒音や粉じんも抑えられるという利点があります。
ただし、施工できない屋根もあることや、建物への重量負担などの注意点もあるため、事前の点検や相談は欠かせません。また、葺き替え工事と比べた場合、それぞれにメリット・デメリットがあるため、ご自宅の状態や今後の住まい方に合わせて選ぶことが大切です。
グッドハウスでは、地域に根ざした施工会社として、屋根の状態に合わせた最適な工事をご提案しています。自社施工による中間コストの削減や、工事後のメンテナンス対応など、施工後も長く安心していただける体制を整えています。
屋根のことで気になることがあれば、まずはお気軽にご相談ください。